気が付くと惰性

今から、1年以上前の話です。
現在スロットの営業を任されている、以前私の部下だった男に電話をかけた時のことです。

「店の調子はどう?」
「今、絶好調ですよ。売上がかなり伸びてます。」

知っている人もいると思いますが、2003年の後半に登場した人気機種「北斗の拳」が、スロット界を大いに賑わせました。
1台当りの売上が他の機種の数倍になるという、久しぶりの大ヒット作です。

「それって、『北斗の拳』を入れたから?」
「はい。そうです。」

「他のライバル店はどう?」
「ウチと同じく、お客さん入ってますねぇ。」

「じゃあ、お店の売上が伸びたのは、店の実力があがったから?それとも機種のおかげ?」
「北斗の拳のおかげです。」

「じゃあ、その機種の人気が落ちたら、売上げも元に戻るって事だよね。」
「・・・はい。」

「喜んでる場合?」
「いや・・・・」

「恐らく後半年で頭打ちだと思うけど、次の手は打ってあるの?」
「いえ・・・」

本来であれば、私のクライアントでも何でもないので、それ以上は放っておくところですが、昔からの付き合いもあります。
私の話には素直に耳を貸すと思い、現時点で取っておくべき方針と具体的な手法を教え、

「頑張れよ。」

と一言添えて、電話を切りました。

 

それから半年後・・・

 

「店の調子どう?」
「いやあ、ダメです。北斗の拳も売上が落ちて・・・」

「で、手は打ったの?」
「・・・」

「俺、教えたよね。」
「はい・・・」

「じゃあ、俺が教えた以外でも良いから、何かやってみた?」
「いえ・・・」

「何でしないの?スロット・コーナーの営業を任されてるんでしょ?」
「はい・・・」

 

彼が私の下で働いている頃は、仕事に前向きでした。
ところが、今はこんな感じです。
売上を伸ばすために、前向きに仕事に取り組む姿勢が感じられません。

でも、彼なんてまだ良い方かもしれません。
彼の場合、私の実績を、私の下で働きながら見ていますから。
私の言葉そのものは、疑っていないんです。

多くの店長さんや管理職の方とお話をすると、その多くは彼の様には黙っていられずに、

“出来ない理由”

を語り出します。
何から何まで、出来ない理由ばかりなんです。

で、私が

「じゃあ、アナタには一体何が出来るんですか?」

と聞くと、途端に黙り出します。

何も出来ないのであれば、店長や役職者でいる意味はありません。
出来るはずだから、人の上に立って働いているはずなんです。

でも、一定の立場についてしばらくすると、人は前向きな意欲をなくしていきます。
惰性の中で、保守的に働くことを考えるんです。

で、こうなったらもうお終い。

惰性を超える“労働”を指示されると、この手の人は嫌悪感を示し出すんです。
当然のことを言われても、無理難題を押し付けられているように感じてしまいます。

アナタは、そうなってませんか?
日頃から意識していないと、気が付かないうちにそうなってしまうことだって、充分あり得るんですぜ。

ps:

ただ、こういった惰性でしか仕事をしなくなってしまうのも、現実的には本人の責任だけでは片付きません。
ほとんどは、その組織環境が原因です。

人は環境の中で生きてますから、環境を整えてやらないと、何をやっても改善しないんです。

post by ノリユキ at 10:40 | コメント・トラックバック(0)

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