相乗りタクシー

intro:

一流のワルで名の通った私は、よく人から「アナタの背中には、哀愁が漂っているのね・・・」なんて涙ながらに言われます。

まあ、死ぬか生きるかの壮絶な世界で、常にトップをひた走り続ける私です。
そんな男の心の傷が背中に見え隠れしてしまうのも、当然といえば当然かもしれません。

でも、そんな私の背中に漂っていたのは、哀愁じゃなくて私の抜け毛でした。
なんだ、嫌味かよ。

そんな事実を知ったときの私の背中は、本当に哀愁が漂ってたみたいですぜ。

┐(  ̄ー ̄)┌ フッ・・・

main:

例えばアナタは、何かの知識や技術を身につけようと学校に通い始めたとします。
給料の中から学費と交通費を支払ってね。
週に3回、会社帰りにアナタは、学校へ一生懸命通います。

でもその学校、駅から徒歩で30分なんですよ。
おまけに、学校までバスも通ってない。

アナタが安月給のサラリーマンだとしたら、駅を降りた後は徒歩で通うしかありません。

でも、たまにはちょっと贅沢をしたい。

だから時々、同じ学校の友達と4人くらいで駅で待ち合わせて、「相乗りタクシー」なんてことも、やってみたり。
学校帰りには、学友達と安酒を交わしてみたりなんかして。

ま、同じ志を持つ者同士の、ちょっとした楽しみってやつです。

 

あ。
でも、ちょっと待った。

 

アナタが安月給のサラリーマンだとは限りません。
高給取りかもしれません。

となると、駅から30分の道のりも、毎日タクシーで相乗りもせずに悠々と通学が出来ちゃいます。

で、たまに一緒になった学友達を同じタクシーに乗せて、

「いいよ、今日は俺が払っとくからさ」

なんて、さり気ない笑顔を見せちゃったりなんかして。

おっ、いいですねぇ。
何か、エグゼクティブって感じ。
カッコイイ!

 

ところでアナタはその貧乏学生とリッチな学生、一体どっちを選びますか?

で、考えてみてください。

どちらの学生生活が、後の良き思い出になると思いますか?
そしてアナタが将来、困難な場面に直面した時、どちらの学生生活を過ごしたときの学友が、アナタに手を貸してくれると思いますか?

 

もうお気付きかと思いますが、要するに貧乏か金持ちかの選択なんかじゃ、ありません。

人と繋がり、一緒に学校に通う道のり。
共に交わす酒。

お金のある無しに関わらず、それらの一つひとつが良き時間となります。

そして、一緒に過ごす道のりが、相手を大切に思う気持ちを育て、自分が大切にされている安心感を生み出します。

アナタがお金持ちの学生であっても、貧乏な学生であっても、大切なものを抱えたままであれば、どっちにしろ楽しい生活と未来が待っています。

 

でもね。
同じ人間であっても、“お金”をある程度持ってしまうと、人は変わります。
気持ちは同じであっても、気が付けばお金は、アナタの行動を変えてしまいます。

友達がいなくとも、アナタは独りでタクシーに乗って、悠々と学校に通学するようになります。
安い店を探して値段を気にしながら安酒をワリカンで飲む必要もなくなります。

人と繋がっていかなくとも、生活を満喫できるんです。
お金があると、それだけでアナタの生活は完結できます。

だから、気が付けば行動が変わっていきます。

 

人はいつだって凸凹です。
だから、足りないところを埋めてあげなくちゃいけない。

で、お金があると、そんな足りない部分をお金で埋めようとしてしまいます。
自然と行動が変わり、生活が変わっていくんです。

現代は他人に頼らずとも、お金に頼れば生きていける時代です。

 

でもね。
私はいつも言いますが、足りないところを埋めてあげられるのは、やっぱり人だけです。

人は独りぼっちじゃ生きてはいけません。
生存はできても、生きていくには結構つまらない。

だから人って、人と繋がっていくんです。

足りない部分を互いに補い合って、そうやって皆で同じ目的地に進んでいくんです。

まるで、相乗りでタクシーを乗るかのようにね。

 

独りで乗るタクシーも、時には良いかもしれません。
友達も一緒に乗せて、お金はアナタが払うタクシー通学も、時には良いかもしれません。

でも、足りない部分を皆で補い合いながら、皆でタクシーに乗るのも、きっと楽しいはずです。

要するに人は、自分ひとりでは完結できない生き物だということです。
ビジネスでもプライベートでも、人は必ず人と繋がっていくことで、上手く行きます。

だから人って、不完全の方が幸せなんです。
だって、人と繋がり合おうとするんだもん。

完璧な人間でいようといつも独りでタクシーに乗り続ける人って、どんなに格好つけたところで、いつも独りぼっちです。

post by ノリユキ at 14:04 | コメント・トラックバック(0)



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