「ANVIL」 アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~
1980年代と言えば、ヘヴィメタルの全盛期。
そして1984年、日本においては巨大ヘヴィメタル・フェスティバル「スーパー・ロック ‘84 イン・ジャパン」が開催されました。
海外から参加したバンドは、ボン・ジョヴィ、ホワイトスネイク、マイケル・シェンカー・グループ、スコーピオンズなど、ミリオン・ヒットを叩き出す錚錚(そうそう)たる顔ぶれ。
特にボン・ジョヴィはこの時のライヴが人気の足がかりになったとも言われています。
ところが、このフェスティバルの参加者で唯一(?)、鳴かず飛ばずで終わってしまったバンドがありました。
そのバンド名は、「アンヴィル」。
でも、終わってなかったんですねぇ。
あれから25年以上も経っているのに、彼らはずっとBIGになる夢を諦めずにヘヴィメタルを続けていました。
そしてこの映画「ANVIL アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~」(公式サイト)は、そんな50代の彼らを追いかけたドキュメンタリー映画です。
15歳の頃にリップスとロブは、ビッグになることを夢見てヘヴィメタルバンド「アンヴィル」を結成。
名前が少し売れたのは、ヘヴィメタル全盛だった20代の頃に一瞬だけ。
音楽では食っていけないので、リップスは給食の配達員、ロブは建設作業員をしながら、未だにロック・スターになるためにバンド活動を続けています。
そして彼らはもう、50代になってしまいました・・・
「夢は諦めなければ叶う」みたいなことを、容易く言ってしまう時代です。
「リスクは重々承知。でも、やりたいことをやり続ける」というのも、カッコ良さ気な響きを持っています。
しかし、そんな生き方の実際は、苦難に満ちた人生です。
だからこの映画を観ると、そんな上っ面だけの言葉が本当に薄っぺらく感じます。
だって、ここにあるお話には、夢を諦めきれずに時を刻んできた男達の友情と苦悩と喜びが刻まれていますから。
チャンスを掴むためにヨーロッパにツアーに出かけても、泊まる宿もなくベンチや床で睡眠をとったり、演奏しに行ったライブハウスではギャラが支払われなかったり・・・
ライブで沢山の人を集められるわけでもなく、どのレコード会社だって相手にはしてくれない・・・
これ、10代、20代の若い頃の話じゃないですよ。
そんな時代の話なら、良い思い出や経験のはずです。
しかし、20年30年と下積みを重ね続けていき、50歳というオジサンになった今でもこの有様であれば耐え難くなるものですよ、普通は。
歳を重ねるごとに、絶望に近い不安は募っていくものです。
でもね、やり続けたことによって喜びを感じられる時間がほんの一瞬でもあるということも真実です。
このドキュメンタリー映画のラスト、私は思わず号泣してしまいました。

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post by ノリユキ at 10:18 | コメント・トラックバック(0)


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